オンラインゲームの当たり時間という噂をプレイヤーはどう考えるべきか
「ガチャは深夜2時に引くと当たりやすい」「メンテナンス明けの1時間はレアが出やすい」「日曜の朝はマッチングの相手が弱い」。オンラインゲームのプレイヤーのあいだでは、こうした「当たり時間」の噂がずっと語り継がれている。筆者も学生のころ、わざわざ夜中に起きてガチャを引いたことがある。結果はいつもどおりだった。

「ガチャは深夜2時に引くと当たりやすい」「メンテナンス明けの1時間はレアが出やすい」「日曜の朝はマッチングの相手が弱い」。オンラインゲームのプレイヤーのあいだでは、こうした「当たり時間」の噂がずっと語り継がれている。筆者も学生のころ、わざわざ夜中に起きてガチャを引いたことがある。結果はいつもどおりだった。
最近、後輩から「当たり時間って本当にあるんですか」と聞かれた。彼は攻略掲示板、SNS、配信のコメント欄、ankertotoのようなサイトなどで紹介されている時間帯をメモしていたが、情報源ごとに言っていることがばらばらで混乱していた。そこで今回は、よく聞く疑問に一つずつ答える形で、当たり時間の噂について考えてみる。
ガチャの確率は時間帯で変わるのか
多くのオンラインゲームでは、ガチャやドロップの確率が公式に公開されている。そして、その確率が時間帯によって変わるという仕組みは、一般的には説明されていない。もし時間帯で確率を変えているなら、表示している確率と実際の確率が違うことになり、大きな問題になる。
筆者は試しに、あるゲームで無料で引けるガチャを、深夜と昼に分けて記録してみた。それぞれ約150回ずつ。最高レアの排出率は公式で3%。結果は深夜が4回、昼が5回だった。どちらも確率どおりの範囲に収まっていて、深夜が有利だという様子はまったくなかった。
ではなぜ「当たった時間」が記憶に残るのか
理由は単純で、当たったときのことは強く覚えているからだ。夜中に引いて最高レアが出た日のことは何年たっても覚えているのに、同じ時間に引いて何も出なかった日のことは、すぐに忘れてしまう。こうして、たまたまの一回が「当たり時間」の根拠として語られるようになる。
さらに、SNSでは当たった人ほど結果を投稿したくなる。外れた人はわざわざ投稿しない。その結果、特定の時間帯に当たり報告が集まっているように見えてしまう。これはゲームの仕組みではなく、人の心の仕組みだ。
対戦ゲームの時間帯はどうなのか
ガチャと違って、対戦ゲームでは時間帯によって変わるものが確かにある。それは、遊んでいる人の数だ。人が多い夜の時間帯は、マッチングが早く、実力の近い相手と当たりやすい。逆に早朝など人が少ない時間は、待ち時間が長くなり、実力差の大きい相手と当たることがある。
筆者が2週間ほど記録した範囲では、夜9時から11時の待ち時間は平均30秒ほど、朝7時台は平均2分以上だった。勝率はどちらも50%前後で大差はなかった。つまり、時間帯で変わるのは「勝ちやすさ」よりも「待ち時間」や「相手との実力差」のほうだ。
「人が少ない時間に遊べば勝てる」は本当か
よく聞くアドバイスに、上手い人が少ない時間帯を狙えば勝ちやすい、というものがある。一見もっともらしいが、実際には逆になることも多い。人が少ない時間は、マッチングの仕組みが相手を探す範囲を広げるため、自分よりかなり強い相手と当たる確率がむしろ上がるからだ。
筆者も早朝に遊んだとき、明らかに格上の相手と連続で当たったことが何度もあった。実力の近い相手と公平な試合をしたいなら、むしろ人が多い時間帯のほうが向いている。
本当に影響が大きいのは自分のコンディション
記録を取っていて一番はっきり差が出たのは、時間帯ではなく自分の体調だった。毎回遊ぶ前に、眠気や集中力を5段階で書き残しておいたところ、調子がいい日の勝率は約57%、疲れている日は約42%だった。時間帯による差よりも、ずっと大きい。
夜遅くに「当たり時間だから」と無理に起きて遊ぶと、結局は眠くて判断が鈍くなる。それではせっかくの時間がもったいない。スマホの通知を切って集中できる環境をつくるだけでも、結果はかなり変わる。この点はスマホの通知を減らすと集中力が回復する理由でも書いたとおりだ。
自分にとってのいい時間を見つける方法
噂の時間帯に頼るより、自分のデータを取ってみるのがいちばん確実だ。やり方は簡単で、次の3点を2週間ほど記録するだけでいい。
- 遊び始めた時刻と遊んだ長さ。
- 遊ぶ前の調子を5段階で。
- 勝敗や、手に入ったアイテムの数。
2週間分たまったら、時間帯ごとと調子ごとに分けて見比べてみる。多くの人は、時間帯よりも調子の差のほうが大きいことに気づくはずだ。
運の要素とどう付き合うか
オンラインゲームに運の要素があるのは、決して悪いことではない。毎回同じ結果になるなら、すぐに飽きてしまうだろう。運の要素がプレイヤーを楽しませる仕組みについては、オンラインゲームの運要素が飽きさせない理由で詳しく書いた。
当たり時間の噂は、運という見えないものを少しでもコントロールしたいという気持ちから生まれている。その気持ちはよくわかる。でも、本当にコントロールできるのは、自分がいつ、どんな状態で遊ぶかということだけだ。噂の時間に合わせて夜ふかしするより、しっかり寝て、元気なときに遊ぶ。それが結局いちばんの「当たり時間」なのだと思う。
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